一般的に運動が健康に良いことは周知の事実であり、その中でもウォーキングとサイクリングは、いつでも気軽に始められる利便性が魅力的です。
トレッドミルやエクササイズバイクを利用すれば、天候に左右されず家の中でも行うことが可能です。
この2つの運動を比較し、「健康への効果はどちらが大きいのか?」という問いについて、科学系ニュースサイトのLive Scienceがまとめた内容があります。
Live Scienceは、ウォーキングとサイクリングを3つの観点で比較しました。
- どちらがより効果的な運動か?
- どちらがダイエットに適しているか?
- どちらが長期的な効果をもたらすか?
「歩く」と「自転車」どちらが健康に適している?
2015年の研究では、1843人が参加し、42の実験データを分析した結果、定期的なウォーキングが血圧、安静時心拍数、体脂肪率、肥満度、コレステロール値、そしてうつ病のメンタルヘルススコアの改善につながることが示されました。
さらに、2017年のイギリス・グラスゴー大学の研究によれば、自転車通勤が心血管疾患やがんを含む全般的な病死のリスクを41%減少させることが確認されました。
同じ研究では、定期的にウォーキングをしている人が公共交通機関を利用する人よりも、心血管疾患での死亡リスクが36%低いことも明らかになりました。
要するに、ウォーキングとサイクリングの両方が長期的な健康にプラスの影響を与えることが示されています。
しかし、サイクリングには関節への負担が少ないという利点があり、足の関節やケガから回復した直後の人が運動する際に悪化するリスクが低いという点が挙げられます。
また、屋内で使用するフィットネスバイクは負荷を調整しやすいという利点もあります。
このような理由から、Live Scienceは、「個々の要因によって運動効果が異なるものの、サイクリングは運動の負荷、消費カロリー、ダイエット効果、自然死リスクの低減などの観点から評価すると、ウォーキングよりも優れている」と結論づけました。
歩くと自転車どっちが効果的な運動か
ウォーキングとサイクリングは、どちらも健康維持に有益な運動とされています。
例えば、2018年に査読付き医学雑誌であるBritish Journal of Sports Medicineに掲載された研究では、「1分間に100歩以上のテンポで歩くとフィットネス効果が得られる」と報告されました。
一般的な歩行速度である1分間に70メートルを歩けば、十分な運動強度が得られるとされています。
一方、自転車は、適切なワークアウト方法によって短期間で効果的な運動効果が得られます。
Heart Zonesによると、フィットネスバイクで最大心拍数の60~70%に相当する「心拍ゾーン2」の運動を30分間行うと、70~85%のカロリーを脂肪の燃焼で得ることができます。
MADEというイギリスのスポーツジムの創設者でありフィットネスの専門家であるペニー・ウェストン氏は、「引き締まった足を手に入れたいのであれば、ウォーキングとフィットネスバイクの両方を取り入れるのが理想的です。
とくに、坂道などの地形を歩くことをおすすめします。
筋肉を維持するためには、脂肪組織の4倍のカロリーが必要なので、脂肪の代わりに筋肉をつけることで体重を減らすことができます」と述べ、ウォーキングとサイクリングの両方が効果的な運動であるとアドバイスしました。
ダイエットに効果的なのはどっち?
歩くことは、軽い運動の代表として知られていますが、実際にはシェイプアップや脂肪燃焼に非常に有効です。
ウェストン氏によると、ウォーキングは30分で約200kcalを消費でき、全身の脂肪を減らす効果が期待できるそうです。
ただし、この消費カロリーは平坦な地形でのウォーキングの場合であり、地形を変えることでより多くのカロリーを消費できます。
一方、フィットネスバイクはウォーキングよりもさらに多くのカロリーを消費し、30分で300kcalを消費できます。
2010年の研究によれば、屋内でのサイクリングと低カロリーの食事を組み合わせると、体重と体脂肪の両方を減らす効果があることが示され、血中コレステロール値やトリグリセリド値も改善されることが確認されました。
これらの理由から、ウォーキングとサイクリングの両方がダイエットに適していますが、サイクリングの方がより効果的であると言えます。
まとめ
ウォーキングとサイクリングは、健康に多くのメリットをもたらすことが研究で示されています。
ウォーキングは心臓や筋肉を強化し、精神的な健康も向上させます。一方、サイクリングは関節への負担が少なく、負荷を調整しやすい利点があります。
研究によると、自転車通勤は心血管疾患やがんなどのリスクを減少させます。
これらの要因から、歩きよりも自転車のほうが効果的な運動とされています。